日本社会は少子高齢化が進んでおり、このままでは社会保障制度そのものが崩壊するのではないかと懸念されています。2020年現在でも現役世代一人あたりが抱える高齢者の数は多く、それが現役世代の社会保障費や保険料の負担となっています。この問題がさらに大きくなるのが2040年問題です。2040年には第二次ベビーブームに生まれた世代が65歳以上となり、出生率が約1.3人のまま推移していけば、高齢者人口がピークを迎えると言われています。そのため、現役世代が抱える高齢者の数は一人あたり1.5人になると推定され、今以上に社会保障費や税の負担が大きくなります。

2040年になったときに一番の課題になるのが現行の社会保障制度です。社会保障給付費は2018年現在約120兆円ですが、2040年には約190兆円まで膨らむと見込まれています。一方で、働く人は900万人ほど減少するので、社会保障費を賄ってくれている現役世代への負担が増えるばかりでなく、制度そのものが崩壊するのではないかと不安視されています。

また、介護への負担も懸念されています。介護老人ホームや特別老人ホームへの入所希望者が増える一方で、対応できる事業所、人員の不足が懸念されています。介護福祉士やケアマネージャーといった専門的な知識を持った人の育成が急務であり、さらに長時間労働や低賃金といった介護で働く人たちの待遇改善も必要です。介護現場での努力だけでは限界になっており、国や自治体の支援、今のルールの見直しが求められています。